
📊 この記事でわかること
- 青色申告と白色申告の具体的な違い
- 最大65万円の特別控除を受ける方法
- あなたに最適な申告方法の選び方
- 必要な手続きと準備すべき書類
個人事業主 田中さん
今年から個人事業を始めたんですが、確定申告で「青色申告」と「白色申告」があると聞きました。正直、違いがよくわからなくて...どちらを選べばいいんでしょうか?

税理士 佐藤
ご質問ありがとうございます。確かに初めての方には分かりづらいですよね。簡単に言うと、青色申告は少し手間がかかりますが、その分大きな節税メリットがあります。一方、白色申告は簡単ですが、節税効果は限定的です。まず、主な違いを表で見てみましょう。
青色申告と白色申告の主な違い
個人事業主 田中さん
65万円も控除があるんですか!それは大きいですね。でも「複式簿記」って難しそう...私にもできるでしょうか?

税理士 佐藤
ご安心ください!最近は優れた会計ソフトがたくさんあります。
例えば「freee」や「マネーフォワード」などを使えば、レシートを撮影するだけで仕訳処理ができますし、通帳やクレジットカードは連携すれば取引内容が自動で表示されるので、科目を選んで登録するだけで複式簿記での記帳が可能です。
青色申告で65万円控除を受ける3つの条件
✅ 65万円控除の条件
- 複式簿記による記帳:会計ソフトを使えばほぼ自動化可能
- 貸借対照表と損益計算書の提出:会計ソフトで自動作成
- e-Taxによる電子申告 または 電子帳簿保存:マイナンバーカードがあればOK
個人事業主 田中さん
なるほど、e-Taxも必要なんですね。
ところで、私の場合、年間売上が500万円程度の予定なんですが、実際どれくらい税金が変わるんでしょうか?

税理士 佐藤
具体的に計算してみましょう。売上500万円で経費が200万円の場合、所得は300万円になります。
【白色申告の場合】
課税所得:300万円 - 基礎控除48万円 = 252万円
所得税:約15.5万円
【青色申告(65万円控除)の場合】
課税所得:300万円 - 65万円 - 基礎控除48万円 = 187万円
所得税:約9万円
差額は約6.5万円!住民税も含めると、年間で約10万円以上の節税になります。
青色申告を始めるための手続き
⚠️ 重要な期限
青色申告を始めるには「青色申告承認申請書」の提出が必要です
- 新規開業の場合:開業日から2ヶ月以内
- 既に事業をしている場合:青色申告をしたい年の3月15日まで
個人事業主 田中さん
青色申告のメリットはよくわかりました!
でも、デメリットもあるんですよね?

税理士 佐藤
はい、正直にお伝えすると、いくつかデメリットもあります。
【青色申告のデメリット】
・記帳の手間が増える(ただし会計ソフトで大幅に軽減)
・帳簿や領収書を7年間保存する義務
ただ、これらのデメリットを考慮しても、節税効果の方が圧倒的に大きいので、私は青色申告をおすすめしています。
あなたに最適な申告方法は?
個人事業主 田中さん
私のような初心者でも青色申告にチャレンジした方がいいでしょうか?

税理士 佐藤
以下のチェックリストで確認してみてください。
【青色申告がおすすめの人】
✅ 年間売上が300万円以上
✅ 継続的に事業を行う予定
✅ パソコンの基本操作ができる
✅ 月に1〜2時間程度、経理作業の時間が取れる
【白色申告でもOKな人】
✅ 年間売上が300万円未満など少額の収入のみ
✅ 今年だけの一時的な事業
田中さんの場合、売上500万円ということですので、絶対に青色申告をおすすめします!
青色申告の準備:今すぐやるべき3つのこと
📝 青色申告スタートガイド
- 青色申告承認申請書を提出
税務署に提出(郵送可)。国税庁のHPからダウンロード可能 - 会計ソフトを導入
freee、マネーフォワード、弥生会計などから選択。無料お試し期間を活用 - 事業用口座を開設
プライベートと分けることで記帳が格段に楽になります
個人事業主 田中さん
とてもよくわかりました!早速、青色申告の申請書を提出して、会計ソフトも導入してみます。
最後に、日々の記帳で気をつけることはありますか?

税理士 佐藤
素晴らしい決断です!
日々の記帳のコツをお伝えしますね。
【記帳を楽にする5つのコツ】
1️⃣ レシートは必ずもらう:後でまとめて入力でOK
2️⃣ 週1回の記帳習慣:溜めると大変なので定期的に
3️⃣ クレジットカード連携:自動取り込みで手間削減
4️⃣ 不明な取引はメモ:摘要欄に詳細を記入
5️⃣ 個人的な支出は分ける:事業用カードを作ると便利
最初は慣れないかもしれませんが、3ヶ月もすれば習慣になります。
分からないことがあれば、いつでもご相談くださいね!
まとめ:青色申告で賢く節税しよう
青色申告と白色申告の最大の違いは、65万円の特別控除です。
確かに複式簿記による記帳は必要ですが、現代の会計ソフトを使えば、初心者でも十分対応可能です。
年間売上が300万円を超える個人事業主の方は、迷わず青色申告を選択することをおすすめします。
初年度の手続きさえ済ませれば、毎年大きな節税効果を享受できます。
特に、これから事業を大きくしていきたいと考えている方にとって、青色申告は必須といえるでしょう。
きちんとした帳簿をつける習慣は、事業の成長にも必ず役立ちます。
📌 この記事のポイント
- 青色申告なら最大65万円の特別控除が受けられる
- 会計ソフトを使えば複式簿記も簡単
- 年間所得300万円以上なら青色申告が断然お得
- 申請期限に注意(開業2ヶ月以内 or 3月15日まで)
- e-Tax利用で65万円控除の条件クリア
※この記事は2025年8月現在の税制に基づいて作成されています。
税制は変更される可能性がありますので、最新情報は国税庁のウェブサイトまたは税理士にご確認ください。