売上1000万円を超えたら要注意!消費税課税事業者になる前に知っておくべき完全ガイド


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⚠️ 準備不足は危険!年間100万円の負担増も

売上が1000万円を超えると、2年後に消費税の納税義務が発生します。

知らないでいると予想外の税負担で資金繰りが悪化することも。

今から準備すれば安心です!

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個人事業主 山田さん

去年の売上が初めて1000万円を超えたんです!

嬉しい反面、消費税のことが心配で...。

いつから納税が必要になるんでしょうか?

税理士 佐藤

おめでとうございます!

売上1000万円突破は事業成長の証ですね。

消費税の課税事業者になるタイミングは「2年後」が基本です。

つまり、2024年に1000万円を超えたなら、2026年から課税事業者になります。

① 課税事業者になるタイミング

基準期間の課税売上高が1000万円超

例:2024年の課税売上高が1200万円 → 2026年から課税事業者

2年後に適用される理由:

  • 2024年=基準期間
  • 2025年=免税事業者(準備期間)
  • 2026年=課税事業者

⚠️ 特定期間もチェック!

期首から6か月間の課税売上高および給与等の支給額が1000万円超の場合、翌年から課税事業者になります。
法人の場合は、決算期を変更することも検討が必要となります。
※課税売上高、給与等支給額のいずれかが1,000万円以下の場合は免税事業者のまま

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個人事業主 山田さん

2年後ということは、まだ時間がありますね。

でも、実際にどれくらいの消費税を納めることになるんでしょうか?

売上1200万円だと...?

税理士 佐藤

消費税の計算方法は2つあります。

「原則課税」と「簡易課税」です。売上1200万円(税抜)の場合で説明しますね。

② 消費税の計算方法

計算方法 計算式 特徴
原則課税 売上の消費税 - 仕入れの消費税 実際の仕入額を元に計算
簡易課税 売上の消費税 × みなし仕入率 実際の仕入額は計算不要

業種別みなし仕入率

🏪 卸売業:90%

🛒 小売業:80%

🏭 製造業:70%

🍴 飲食業:60%

💼 サービス業:50%

🏢 不動産業:40%

売上1200万円の場合:業種により12〜72万円の納税額

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個人事業主 山田さん

私はWebデザイナーなので、サービス業の50%になるんですね。

簡易課税の方が計算が楽そうですが、選択できる条件はありますか?

税理士 佐藤

基準期間の課税売上高が5000万円以下なら簡易課税を選択できます。

山田さんの場合は問題なく選択可能ですね。

ただし、適用を受けようとする事業年度開始前(12/31)までに届出書の提出が必要となりますので、2026年から適用を受ける場合は2025年12月31日までに届出書の提出が必要になりますね。

 

もし、簡易課税の選択届出書を12/31までに提出するのを忘れてしまった場合でも、課税期間を3か月ごとに区切ることで早期に簡易課税制度の適用を受けることが可能なので、その場合は早急にご相談ください。

また、簡易課税は2年間の継続適用が条件なので、事前にシミュレーションをして慎重に判断しましょう。

③ 事前に準備すべきこと

📝 今すぐ始めたい4つの準備

1. 経理システムの見直し

  • 消費税の税率別管理
  • 課税・非課税の区分
  • 軽減税率対応

2. 価格設定の見直し

  • 消費税込価格の検討
  • 顧客への説明準備

3. 資金繰りの準備

  • 消費税納税資金の確保
  • 中間納税の準備

4. 届出書の提出

  • 簡易課税選択届出書
  • 課税期間短縮届出書

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個人事業主 山田さん

そういえば、インボイス制度の話もよく聞きますが、課税事業者になったらインボイス登録も必要なんでしょうか?

税理士 佐藤

とても重要な質問です!

既に課税事業者なら、インボイス登録はほぼ必須と考えてください。

登録しないと取引先が仕入税額控除を受けられず、取引停止のリスクもあります。

④ インボイス制度との関係

✅ 登録するメリット

  • 取引先の仕入額控除対象
  • 大手企業との取引継続
  • 企業としての信頼性向上

❌ 登録しないデメリット

  • 取引先が消費税負担増
  • 取引停止のリスク
  • 売上減少の可能性

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個人事業主 山田さん

なるほど、課税事業者になるなら同時にインボイス登録も考えた方がいいんですね。

準備することがたくさんありますが、優先順位はどう考えればいいでしょうか?

税理士 佐藤

まずは以下の順番で進めることをおすすめします:

1️⃣ 会計ソフトの導入(今すぐ)

2️⃣ 簡易課税の検討(2025年中)

3️⃣ インボイス登録申請(2025年中)

4️⃣ 納税資金の積立開始(できるだけ早く)

計画的な準備で、安心して課税事業者になれます。
不安なことがあれば、早めに税理士に相談することも大切ですよ。

まとめ:課税事業者になる前の準備チェックリスト

✅ 準備チェックリスト

📅 タイミング

  • 課税売上高1000万円超の2年後
  • 特定期間1000万円超の翌年

💰 計算方法

  • 原則課税 vs 簡易課税
  • 仕入率で判断

📝 事前準備

  • 経理システム整備
  • 価格設定見直し
  • 納税資金準備
  • 各種届出書提出

📋 インボイス制度

  • 課税事業者なら登録推奨
  • 取引継続のため必要

 

その他にも課税事業者となるパターンは複数あるため、下記に該当する場合は早めに税理士へ相談が必要

・課税事業者選択届出書を提出している

・期首の資本金が1,000万円以上ある(法人のみ)

・売上が5憶円超の会社に支配されている(法人のみ)

・課税事業者(原則課税)である期間中に100万円以上の固定資産を取得した、1,000万円以上の棚卸資産を取得した

・相続、組織再編、法人課税信託の事業者に該当する

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※この記事は2025年8月現在の税制に基づいて作成されています。
税制は変更される可能性がありますので、最新情報は国税庁のウェブサイトまたは税理士にご確認ください。

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