黒字なのにお金がない!?資金繰り悪化の4つの理由と対策

「損益計算書は黒字なのに、なぜか銀行口座にお金がない…」

このような悩みは、多くの経営者が抱える深刻な問題です。
実は利益と現金は別物であり、黒字でも資金不足に陥る企業は少なくありません。

今回は、税理士として多くの企業の資金繰り改善をサポートしてきた経験から、黒字倒産を防ぐための原因と対策を、顧客との対話形式でわかりやすく解説します。

💰 黒字なのにお金がない現象とは

👤 経営者Bさん

佐藤先生、不思議なことがあるんです。
損益計算書を見ると黒字なのに、銀行口座にはほとんどお金が残っていないんです…
これって何かおかしいんでしょうか?

👨‍💼 佐藤税理士

いえ、実はそれは珍しいことではありません。
むしろ多くの経営者が同じ悩みを抱えています。
利益と現金は全く別物なんです。

👤 経営者Bさん

え?黒字なら現金も増えるんじゃないんですか?

👨‍💼 佐藤税理士

それが違うんです。
帳簿上の利益と実際のキャッシュフローは全く異なる動きをします。
今日は、黒字なのにお金がない4つの主な理由を詳しく説明しますね。

⚠️ こんな症状ありませんか?

  • ✓ 損益計算書は黒字なのに、銀行口座には現金がない
  • ✓ 帳簿上の数字と実際のキャッシュが合わない
  • ✓ なぜお金が残らないのか、原因を知りたい

📈 理由①:売掛金の増加

👨‍💼 佐藤税理士

まず1つ目の理由は売掛金の増加です。
売上は上がったが、現金回収が遅れるというパターンですね。

💡 売上と現金回収のタイムラグ

具体例:月商1,000万円の会社

  • 📊 売上1,000万円(全て売掛)
  • 💰 利益200万円
  • ⏰ しかし現金回収は翌月

↓ 帳簿上は黒字、現金はゼロ!

🔍 売掛金増加の主な要因

📈 売上拡大

売上拡大による売掛金の自然増

⏳ サイト長期化

回収サイトの長期化

🆕 新規条件

新規取引先の支払条件が悪い

⚠️ 支払遅延

既存顧客の支払遅延

⚠️ 売上急拡大時は特に注意!運転資金が不足しやすい

📦 理由②:在庫投資の増加

👤 経営者Bさん

なるほど…売上が計上されても、すぐに現金が入ってくるわけじゃないんですね。

👨‍💼 佐藤税理士

その通りです。
そして2つ目の理由は在庫投資の増加です。
これも利益と現金のズレを生む大きな要因なんです。

📊 在庫増加のパターン

  • 🚀 売上拡大に備えた大量仕入
  • 📊 見込み生産による在庫蓄積
  • 🎄 季節商品の先行仕入
  • 💹 原材料価格上昇前の駆け込み購入

💸 現金への影響

原材料500万円購入の場合

現金減少

500万円

売上までの利益影響

なし

→ 現金だけ先に減る!

在庫回転率が悪いほど、現金不足が深刻化します

🏭 理由③:設備投資による現金流出

👨‍💼 佐藤税理士

3つ目は設備投資です。
これが実は一番わかりにくいんですよ。

🔧 設備投資の影響

機械購入1,000万円の場合

現金の動き 1,000万円減少(即座)
減価償却 年200万円ずつ費用化(5年)
初年度の差額 800万円は利益に反映されず!

💳 借入返済の影響

月次返済100万円の場合(元本80万円+利息20万円)

📊 損益計算書の費用:利息20万円のみ

💸 実際の現金減少:100万円

差額80万円は利益に影響しない!

💰 理由④:税金・その他の現金流出

👤 経営者Bさん

設備投資や借入返済は、利益には出ないけど現金は減るんですね…他にもありますか?

👨‍💼 佐藤税理士

はい。4つ目は税金やその他の現金流出です。
これらは利益計上のタイミングと支払いのタイミングがズレるんです。

💳 税金支払いの影響

利益500万円の場合

  • 💰 法人税等:約150万円
  • 📊 消費税:別途発生
  • ⏰ 支払時期:利益計上の翌期

📋 その他の現金流出項目

✓ 役員賞与の支払い

✓ 社会保険料の会社負担分

✓ 固定資産税の年4回払い

✓ 保険料の年払い・半年払い

✓ 従業員賞与の支払い

📊 対策①:資金繰り表の作成

👤 経営者Bさん

理由はよくわかりました!
では、どう対策すればいいんでしょうか?

👨‍💼 佐藤税理士

まず最も重要なのは資金繰り表の作成です。
現金の流れを予測・管理することが黒字倒産を防ぐ鍵なんです。

📝 資金繰り表の必須項目

📥 営業収入(売上回収)

📤 営業支出(仕入・経費・給与)

🏭 設備投資支出

💳 借入・返済

💰 税金・保険料支払

📊 月末現金残高予測

💡 作成のコツ

コツ 1

3ヶ月先まで予測

最低でも3ヶ月先までの資金繰りを予測し、早めに資金不足を察知します。

コツ 2

週次での更新

月次ではなく、週次で更新することでリアルタイムに状況を把握できます。

コツ 3

悲観シナリオも想定

最悪のケースも想定しておくことで、万が一の事態にも備えられます。

コツ 4

実績との差異分析

予測と実績の差を分析し、次回の予測精度を高めていきます。

✨ 資金繰り表作成の効果

資金不足の2ヶ月前に察知 → 早期の対策実行が可能!

💼 対策②:運転資金の適正管理

👨‍💼 佐藤税理士

2つ目の対策は運転資金の適正管理です。
特に売上が拡大する時は要注意なんですよ。

📐 運転資金の計算式

運転資金 = 売掛金 + 在庫 − 買掛金

📊 売上拡大時の資金需要

月商500万円 → 800万円に拡大した場合

項目 変更前 変更後
売掛金 500万円 800万円
在庫 200万円 320万円
買掛金 150万円 240万円
運転資金 550万円 880万円

増加分:330万円の資金が必要!

🎯 対策の具体例

💳 売上拡大前の
資金調達

🤝 回収サイトの
短縮交渉

📦 在庫回転率の
向上

📌 まとめ:利益とキャッシュは別物

👤 経営者Bさん

よくわかりました!
利益が出ていても、現金管理をしっかりしないとダメなんですね。

👨‍💼 佐藤税理士

その通りです!
最後に今日学んだことをまとめましょう。

黒字なのにお金がない4つの理由

✅ ① 売掛金の増加

→ 売上計上済みでも入金遅れで現金不足

✅ ② 在庫投資の増加

→ 先行仕入で現金が在庫に滞留

✅ ③ 設備投資・借入返済

→ 大型投資・元本返済は費用にならず現金流出

✅ ④ 税金・その他の現金流出

→ 税・保険・賞与などの支払い発生

💡 具体的な対策

  • 📊 資金繰り表による予実管理
  • 💼 運転資金の適正計算
  • 💰 売掛金回収の早期化
  • 📦 在庫水準の最適化

💡 利益とキャッシュは別物!

両方の管理が経営成功の鍵です

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