この記事の目次
はじめに
大学院の修士課程(博士課程前期)では、修士論文を執筆しなければなりません。
修士論文は自分一人の力だけで書き上げることは出来ないので、他の人の意見を取り入れる必要があり、そのため、多くの大学院では自分の論文を報告する中間報告会という機会が設けられています。
中間報告会
中間報告会は、同研究科同専攻の学生及び教授に、自分の書いていること又はこれから書こうとしていることについて、内容や問題の所在、そしてその問題をどう解決していくのか等を報告する場となっています。
中間報告会は、年1回だけ行われるところもあれば、年2回行われるところもあります。ちなみに私のところは、6月と11月の年2回行われます。
大学院によって形式は違うと思いますが、私の通う大学院では、報告者(M2)と聴講者(M1)が大きな会議室に集められ、前には裁判官の様に教授3名が鎮座し、報告者は裁判所の被告席の様なところに座らされ、10分~15分かけて自分の論文について報告をします。
そして教授は、報告を受けて報告者を質問攻めにするので、報告者はあらかじめ質問の内容をシュミュレーションし、答えを用意しておくことが重要です。(入試時の面接で、研究計画書について聞かれるのと同じようなイメージ)
レジュメの作成
中間報告の際には、論文の要旨を書いたレジュメ等の作成が求められることが多いです。レジュメの書き方については特に指定はないんですが、私は次の項目を設けて作成しています。
①目次 ⇒論文構成を示し、どのような流れで結論まで書くのかを示します。
②はじめに ⇒論文の冒頭部分を書いて、問題の所在を明らかにします。
③事案の概要 ⇒論文で取り上げるメイン判例の説明、問題点を提示します。
④おわりに ⇒本論文で明らかにしたこと、結論を示します。
(全部でA4用紙で9ページ)
私の論文は現在50ページくらいとなっていて、これを全部報告することはできません。報告の時間は10分~15分程度しかありませんから、内容を簡潔にまとめる必要があります。
報告の相手が教授だからといって、教授があなたの論文の内容の全てを知っているわけではありません。自分の研究内容は自分自身が一番よく知っているはずです。そう考えると、レジュメは初めて読んだ人でも内容が分かるように丁寧に作成することが必要で、図解もふんだんに盛り込んで作成していきましょう。
自分が報告を受ける立場と仮定して、初めてレジュメを見て報告を受けた際に、その内容が理解できるのか、何か言葉が足りていないのじゃないか、図があったほうが理解が早まるんじゃないかと、あくまでも聞く側の立場のことを考えて作成するように心がけましょう。
ただ、いくら万全に準備をしたとしても予想外の質問はされます。わからないものはわからないと言ってもいいので、それよりも、その質問をどう受けとめ、どう考え、それをどうやって論文に落とし込むのかが重要です。
おわりに
私のところでは、今月、中間報告会があります。
前回6月の時は、多くの人は論文のテーマが決まって書きはじめたばかりだったので、質問内容はそれほど重いものはありませんでした。
ただ、今回は最後の口頭試問が1月で、論文完成まで残りあと2ヶ月ほどとなっていることからすれば、今は論文の全体像が決まって、結論も出ているくらいのイメージなので、前よりも深いところを質問されそうな予感がしています。