「50円上げるだけで、常連さんに『高い』と言われるのが怖い」
毎日のように仕入れ伝票を見てはため息をつき、それでもメニュー表の価格を書き換える勇気が出ない。
もし、あなたがそんな悩みを抱えているなら、この記事はあなたのためのものです。
はっきり申し上げます。
その「恐怖」は、数学的に見れば「幻影」です。
今回は、当事務所の分析手法を使って、「なぜ、値上げをしても店は潰れないのか」「むしろ、なぜ値上げをしないと潰れるのか」を、数学的な事実に基づいて証明します。
これを読み終える頃には、あなたはすぐにでもマジックペンを持って、メニューの価格を書き換えたくなるはずです。
1. 「据え置き」は、実質的な「値下げ」である
今、世の中はインフレ(物価上昇)の真っ只中です。
食材費、光熱費、人件費。全てのコストが上がっている中で、売価(メニュー価格)を据え置くということは、何を意味するのでしょうか?
お客様に還元している」のと同じです。
あなたはボランティア活動をしているのではありません。
コストが上がっているのに価格を上げないのは、経営努力ではなく「自傷行為」です。
2. 恐怖を消す数学:「50円」の魔法
では、ここから具体的なシミュレーションに入りましょう。
あるカレー屋さん(原価280円)が、勇気を出して「50円の値上げ」を決断したケースです。
(利益が約10%UP!)
注目すべきは、「価格は6.25%しか上がっていない」のに、「利益額は約10%(50円)も増えている」という事実です。
この「利益率の改善」が、経営に劇的な余裕を生みます。
3. 「何人までならお客様が減っても大丈夫か?」
社長が一番恐れているのは、「値上げしたら客数が減る」ことですよね。
では、計算してみましょう。
「現在の利益総額(月52万円)を維持するためには、客数は何人まで減ってもいいのか?」
これが何を意味するか分かりますか?
現状の1,000人から、912人になっても、手元に残る利益は「同じ」だということです。
つまり、「約9%のお客様を失っても、経営的には無傷」なのです。
胸に手を当てて考えてみてください。
800円のカレーが850円になったからといって、10人に1人が激怒して店に来なくなるでしょうか?
おそらく、ほとんどのお客様は「50円くらいなら仕方ないよ」と受け入れてくれるはずです。
4. 客数が減ることは「悪いこと」ではない
さらに、もし客数が50人減ったとしても、現場には以下のメリットが生まれます。
- 作る料理の数が減る(キッチンの負担減)
- 接客の数が減る(ホールの負担減)
- 空いた時間で、一人ひとりに丁寧な接客ができる(質向上)
「仕事が楽になったのに、手元に残るお金は増えた」
これこそが、飲食店経営者が目指すべき「高生産性モデル」です。
5. 離れていく客は「誰」なのか?
厳しい言い方になりますが、50円の値上げで文句を言うお客様は、「価格だけに価値を感じているお客様」です。
彼らは、近所にもっと安い店ができれば、すぐに浮気します。
値上げは、一種の「踏み絵」です。
価格にうるさい客層が去り、「あなたの店の味が好きだ」というファンだけが残る。
これを「客層の浄化」と呼びます。ブランド価値を高めるためには、避けて通れないプロセスです。
上手な値上げのコツ
- ステルス値上げはNG: 量を減らすのは信用を失います。堂々と価格を上げてください。
- 50円から刻む: いきなり200円は怖くても、50円なら心理的ハードルは低いです。
- 理由を正直に: 「原材料高騰のため」と正直に伝えれば、常連さんは応援してくれます。
6. 結論:値上げは「決意表明」である
値上げを怖がる必要はありません。
それは、お客様を裏切る行為ではなく、「この店を長く続け、美味しい料理を提供し続ける」という、社長の決意表明だからです。
もし、値上げをせずに無理をして、お店が潰れてしまったら。
それこそが、常連さんに対する一番の裏切りではないでしょうか?
あなたの店の「値上げシミュレーション」作ります
当事務所の「ベーシックプラン」では、
あなたのお店の実際の数字(売上・原価・客数)を使って、詳細なシミュレーションを行います。
「うちは何%客数が減っても耐えられるのか?」
「どのメニューをいくら上げれば利益が最大化するのか?」
その答えを知れば、恐怖は消えます。


