たくさん見ることはトレーニングになる。日商簿記検定の採点委員の話。
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この記事の目次

はじめに

日商簿記検定1級の試験は、6月と11月の年2回。
2級と3級が、2月、6月、11月の年3回実施されます。

 

私は、数年前からこの日商簿記検定の採点委員を引き受けており、
試験日の午後から会場に行って、解答された試験問題の採点をしています。

 

私が簿記3級を受験したのは、もう10年以上も前の話なので、
どんな問題だったのかは覚えていませんが、

たしか満点で合格したような気がしますし、周りにも満点で合格したという人は、
何人もいたように記憶しています。

 

しかし、採点をしている中で満点で合格している人はほとんどいませんので、
昔よりも問題が難しくなってきているのかなと感じています。

 

採点委員という仕事

数年前に知人を通じて引き受けることになったんですが、
基本的には簿記の知識があれば誰でもできる仕事で、

10人から15人くらいの人が一つの部屋に集められ、
時間になると回収された解答用紙が部屋に運ばれてきますので、

これを模範解答と照らし合わせて採点をしていきます。

 

採点のポイントとしては、
数字を埋める問題は模範解答通りかどうかを見るだけなんですが、

仕訳問題では書かれた漢字が間違っていないか、略字を使っていないか、
数字のけた間違いをしていないか等を細かく見るように指導されます。

 

時間は4~5時間くらいなので、拘束時間はそれほど長くなく、一応謝礼も出ます。

 

いろんな人の書いたものを見る

文字の癖や、数字の癖、考え方の癖は人それぞれで、
きれいな文字や数字を書く人もいれば、読みづらい文字や数字を書く人もいますし、
突拍子もない仕訳を切ってくる人もいます。

 

こういった、いろんなレベルの人の解答を採点するのは非常に集中力がいります。

しかし、いいかげんに採点するわけにはいかないので、
少しの違和感に反応できるように、集中して解答用紙をチェックしています。

そうすると、自然と多くの人が間違えやすいポイントというのが分かってきますので、
採点でも数をこなすにつれて、スピードが上がってきて、効率が良くなってきますし、
違和感に対してすぐ反応できるようになってきます。

 

普段仕事をしていると、人のやった仕事を確認することはありますが、
テストの採点の様に、多くの人のやったことを見る機会というのはほとんどありませんので、

人のやったものをチェックするポイントというのが分かり、
仕事にも役に立っているなと感じています。

 

おわりに

採点委員の仕事は、ひたすら採点するだけなので、肩が凝って疲れます。

そして、あまり楽しい仕事でもないので、毎回はやりたくないんですが、
違った目線から物事を見るためのトレーニングをする機会をもつためにも、
定期的に引き受けたいと思っています。

 

 

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