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はじめに
大学院では判例研究等を行いますが、
その前提としてまず関連条文に当たらないといけません。
入学するとまず条文集等を準備する必要がありますが、
ただ条文集も色々種類があって、どれを選べばいいのかわかりません。
大学院から指定があればそれを準備するだけなんですが、
基本的に使いやすいものを自由に使っていいとされることが多いので、
今日は私が使っている条文集等をご紹介したいと思います。
租税法判例六法
税法の勉強をするのであれば、税法条文が網羅的に載っているものが必要です。
「租税法判例六法」は租税法総論(税法の基本的な考え方)からはじまり、
国税通則法、国税徴収法、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法の条文が記載されており、
各条文の後ろに最高裁判所の判例を中心として、有名どころの判例の要約が付加してあります。
条文を調べれば、一緒に重要判例も調べることができるので、
大学院で勉強するにはもってこいです。
また、後ろのページには事項索引や判例索引も付いていて、
用語や判例年月日から関連条文を探すこともできます。
施行令や租税特別措置法についても、重要な条文のみ抜粋されていますので、
だいたいこれ一冊で税法は足りるかと思います。
実務でも活用できて、長く使えるのでおススメの一冊です。
ポケット六法
六法とは、憲法・刑法・民法・商法・刑事訴訟法・民事訴訟法のことを指します。
税法の勉強をしていても、事実認定の部分では他の法律の適用要件を知ることが重要になってきます。
税法以外の条文も頻繁に調べることになりますので、
六法が記載された条文集を持っておかないといけません。
私は「ポケット六法」を使っているんですが、六法の条文は網羅されており、
これら六法に関連する法律もかなり広い範囲で記載されていますので、
大学院で勉強するには持ち運びのことも考えて小さいサイズのものが便利かなと思います。
「判例六法」(2019.3.6追記)
大学院の授業で使うのであれば「判例六法」がおススメ。
というご意見をTwitter上で頂きましたので、購入・使用してみました。
「判例六法」は条文の横に関連する判例が記載されていますので、
条文を引けば判例も目に入り、条文の解釈等も同時に確認することができます。
民法等は、条文だけでは内容を理解できないことも多いので、
そういった場合に判例は助けになりますし、
該当する法律の争いとなるポイントを知ることもできるので、
事案を検討をする際におススメです。
ただ、「租税判例六法」と違って、記載されている判例の数がかなり多いので、
条文だけを見ようとする場合は、少し見にくさを感じましたので、
使い分けは必要かと思います。
六法(アプリ)
租税判例六法やポケット六法はコンパクトで持ち運びやすいとはいうものの、
それなりに重いので、常に持ち歩くのはしんどいです。
有料・無料いろいろありますが、数百の法律が網羅された有料版は4~5,000円するものもあります。
サブ的に使うのであれば、無料のもので十分です。
私は「六法」という無料アプリを使っています。
必要な法律だけを自分で登録してカスタマイズことができますので、使い勝手はいいかと。
ただ、無料版は広告が出てきますので、うっとうしいと思う方は、
有料版を250円(3か月間)で購入することもできます。
アプリは書籍の条文集と違って、調べたい条文の周辺条文をまとめて見るには使いにくいので
(関連条文は、だいたい近い条文番号にあります)、アプリだけでは不便ですし、
書籍とアプリの使い分けが必要です。
また「e-Gov(イーガブ)」という政府が運営する行政情報のポータルサイトには、
行政機関への申請・手続きの方法や、法律条文が記載されており、
使い勝手もいいので、こちらも合わせてその存在を知っておくことが必要です。
その他
あと、補助的なものとして「コンパクト法律用語辞典」「新・キーワード民法」を使っています。
これらは用語の解説が載っていますので、条文を読んで分からない用語等を調べるのに使っていて、必ず必要なものではないですが、条文の意味内容を理解するのに便利なのでおススメです。
おまけ
大学院に入学する前に「税法六法」を買いました。税法を国税から地方税、
そして通達まで全てを網羅した条文集です。
腰を据えて調べるのにはいいと思いますが、一冊一冊が重たすぎて据え置き専用になりました。
(若干ホコリをかぶってます)
どんなものがあるのか知らないと、用途に合わないものを買ってしまいますので注意しましょう。
見た目は分厚いので威圧感はすごいです。(ただし平成28年・・・)
租税判例六法、ポケット六法(又はデイリー六法)、六法(アプリ)
これらの三つは必ず準備しておいた方がいいかと思います。
大学院によっては、全て指定があるかもしれませんので、
まずは大学院のシラバス等を読んでから準備していきましょう。