ハードローとソフトロー。守るべき法律とそうでない規範の使い分け。

ハードローとソフトロー。守るべき法律とそうでない規範の使い分け。

はじめに

私たちが生活している上で、直接的に法律を意識する機会というのは少ないですが、
普段気にせずに行っていることでも、法律に沿って行われています。

 

もし法律に反する取引であれば、損害を被った側は、
法律によって取引を無効にしたり、取消したりすることが可能です。

 

このように絶対的な拘束力をもち、
最終的には裁判所の判断に委ねられ履行が求められるような、
社会的規範としての法律をハードロー(hard law)といいます。

法律を知っていれば、自分で決着をつけることができますが、
法律を知らない場合は争うこともせずに、泣き寝入りとなってしまうことも珍しくありません。

 

これに対して、法律のように権力による拘束力はないですが、
守らないと経済的・道義的に不利をもたらす規範をソフトロー(soft law)と言います。

 

ハードローとソフトロー

例えば、企業が会社法に反するような取引をした場合は、
法律(ハードロー)違反で罰則がありますが、
企業が属する町内会の規則(ソフトロー)に反したところで罰せられることはありません。

 

しかし、最近はこうしたソフトローが重視される傾向にあり、
ソフトローを軽視していると、企業が社会的責任を問われたり、
市場から締め出しをくらって、実質的に制裁を受けることも珍しくありません。

 

ソフトローを利用する

ハードローはその名の通りお堅い存在で、
決まっていることを守らないと即座に制裁を受けることになりますので、
慎重な取り扱いが必要です。

 

一方、ソフトローは取扱いに柔軟性がありますので、
使い方によっては自分を良く見せることができますし、レベルアップの材料としても使えます。

 

例えば、コーポレートガバナンスコード。

コーポレートガバナンスコードとは

上場企業が守るべき行動規範を示した企業統治の指針。
2015年3月に金融庁と東京証券取引所が取りまとめ6月から適用が開始され、
遅くとも年内には報告が求められる。

株主がその権利を適切に行使することができる環境の整備を行うことなどを定めたもので、
その実施を一律に義務付けるものではない。

しかし「コンプライ・オア・エクスプレイン」として、
何らかの事由でそれを実施(コンプライ)しない場合は、
投資家にその理由を説明(エクスプレイン)することが求められる。

コトバンクより

コーポレートガバナンスコードは法律ではないんですが、
上場企業が取るべき行動規範として定められています。

 

上場企業は株主へのアピールが必要となりますので、
規範に沿って運営していくことを求められますし、
ソフトローと言えども、実質的にはハードローに近いものはあります。

 

しかし、非上場企業はコーポレートガバナンスコードを順守する必要はないので、
非上場企業が規範に従って行動すれば、企業としての評価は上がっていきます。

 

ソフトローはそのまま取り入れなくても、
解釈によって形を変えて取り入れることができるので、
非上場企業であっても一つの指針として使うことはできます。

 

おわりに

私たちが思っている法律とは、ハードローであることが多いので、
法律は堅くて嫌いという人が多いのも、理解できます。

 

しかし、法律ではないけども、実質的に法律の様な柔軟性のあるソフトローに沿うことで、
企業の評価は上がっていきます。

 

ソフトローを守るということは、モラルに反する行動をとらないと宣言したのと同じで、
社会的責任を果たすということにもつながると思います。