修士論文のために条文を掘り下げて調べる方法
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この記事の目次

条文を理解するために

税法の意味内容を調べるのは簡単ではありません。

 

普段から税法に触れていないと、調べ方も分かりませんし、条文等を調べて読んだとしても、その内容を理解することは不可能でしょう。

 

税法に関わる仕事をしていたとしても、条文からその意味内容や趣旨を理解するのは大変ですし、文理解釈には限界があります。

 

だからといって、条文を読まずに誰かが解説した文章ばかり読んでいると、解説者の解釈に流されてしまうかもしれません。

 

税法は不明瞭な条文があり、その内容に含みを持たせているものがたくさんあります。

 

その意味内容を腹の底から理解しようとするならば、条文を読むことはもちろん、その立方趣旨や、改正の経緯を知ることが重要です。

 

そこを飛ばして、条文を読まずに誰かの解釈だけで理解しようとしたりするのは危険だと思います。

 

実務でも学問でも同じ

条文の調べ方は、実務上でも学問上でも同じかなと考えています。

 

私は大学院で税法に対する接し方を学びました。

 

実務上、法律を立方趣旨から調べて解釈を試みるということは少ないですが、私の場合、大学院で学んだ条文の調べ方と実務上での条文の調べ方は同じです。

 

実務の場合入り口は取引、学問の場合入り口は判例と、調べるきっかけは違いますが、まずは関係する条文等にあたることは同じです。

 

実務の場合、条文や通達を調べて概ね解決することが多く、場合によっては簿記や会計技術の知識で解決することも多い印象です。(複雑な事例に当たれば、そうではないでしょうが)

学問の場合、どこまでも掘り下げて調べ、その底のほうで何と繋がっているのか知ることが目的でもありますので、関係する条文等にあたり、類似判例に当たり、立方趣旨や過去の税制改正等の変遷、そして周辺の税法以外の法律との関係を調べたりします。

 

具体的な調べ方

具体的には、条文はe-govや六法で調べ、判例は判例六法の類似判例を手掛かりに、データベース(TKCローライブラリー、D1-Law等)で検索をかけ、ヒットした判例を検討して、その判例の中で引用している判決があれば、その判例も合わせて調べます。

 

そして、それらの判例を比較検討し、裁判所の判断の同じところと違うところを書き出していけば、条文や通達からだけでは読み取れなかった意味内容が浮き出てきます。

 

また、立方趣旨や税制改正等の積み重ねは、コンメンタール等の逐条解説で理解しておくといいかなと。

 

その他の最新情報は、雑誌等から定期的に拾い集め、Twitterも最新情報を拾い集めるのには役に立つことがあります。

 

おわりに

実務上は、そこまで複雑な問題が生じることが少ない、

というよりは、複雑な問題にならないように日頃から手当てをしておくことが重要なので、論文を書く時のように深く掘り下げて調べる必要が出てこないのが理想です。

 

だからと言って、適用する条文の意味内容を知らなくてもいいというわけではありませんので、常日頃から条文をよんで、判例を読んで、その内容について深く掘り下げて勉強しておくと、必ずどこかで役に立つと思います。

 

大学院が終わって、積極的に判例を読む機会がなくなったので、私もこれからそういった機会を作っていかないといけないなと。

条文の読み方等を大学院で学ぶ際には、実務でも使うことを考えながら学ぶと、より一層役に立つ知識や経験になるんじゃないでしょうか。

 

【編集後記】

リモートワークや時差出勤、時短出勤について準備や説明を進めています。

 

採用してもらえるかは分かりませんが、もしもの時のための準備だけはしておきたいなと。

 

 

 

 

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