
「今年は予想以上に利益が出てしまって...もう決算まで1ヶ月しかないんです」
決算日までに実行すれば今年の税金を軽減できる可能性はまだあります!
この記事で分かること
- 決算日までに実行可能な5つの節税対策
- それぞれの節税効果と注意点
- 具体的な実行手順とタイミング
- 来期に向けた節税計画のポイント
💰 決算日は節税対策の最後のチャンス
山田社長
佐藤先生、今期の決算予測を見たら、利益が500万円も出そうなんです。税金が心配で...
山田社長、利益500万円なら税金は約150万円になりますね。
でも今からでもできる節税対策がありますよ!
実際、適切な対策で節税できるケースも珍しくありません。
佐藤税理士
山田社長
ぜひ教えてください!
📊 節税対策① 30万円未満の設備投資で即時償却
まず最も手軽なのが、30万円未満の設備投資です。
青色申告なら、30万円未満の資産は全額その年の経費にできるんです。
佐藤税理士
🖥️ 対象となる設備例
事務機器
- パソコン・プリンター
- エアコン・照明器具
- 事務机・椅子
業務用機器
- 工具・機械
- 車両(軽自動車など)
- 業務用ソフトウェア
節税効果の計算例:
28万円のパソコン購入 → 8.4万円の節税(28万円×税率30%)
山田社長
中古品でも大丈夫ですか?新品じゃないとダメですか?
中古品でもOKです!
ただし、年間合計300万円までという上限があります。
また、決算日までに取得して実際に使い始める必要があるので、注意してくださいね。
佐藤税理士
🛡️ 節税対策② 経営セーフティ共済への加入(最大240万円の損金)
山田社長
経営セーフティ共済って聞いたことがありますが、節税になるんですか?
決算月に1年分を前納すれば、追加で最大240万円を今年の経費にできます。
ただ、解約時は収入となるので、出口対策を検討しておくことが重要です!
佐藤税理士
💡 経営セーフティ共済のメリット
メリット | 詳細 |
---|---|
掛金は全額損金 | 追加で最大240万円まで拠出可能 |
倒産時の資金調達 | 取引先が倒産した際の資金手当て |
契約者貸付制度 | 一時的な資金繰り改善に活用可能 |
節税効果 | 最大72万円の節税(240万×30%)
※ただし解約時は収入となり課税されるため出口対策の検討が必要。 |
💼 節税対策③ 役員報酬・役員賞与の活用
山田社長
役員報酬を増やすことも考えたんですが、今からでも変更できますか?
残念ながら役員報酬の増額は決算後3ヵ月以内になります。
また、事前確定届出給与に関する届出は決算後4か月以内となるため、事前に来期の業績をシミュレーションしておく必要があります。
佐藤税理士
⚠️ 注意点
- 不相当に高額だと否認リスクがある
- 社会保険料負担が増加する
- 個人の税率とのバランスを考慮する必要がある
📝 節税対策④ 未払費用・前払費用の計上
期末の調整も重要です。
未払費用と前払費用を適切に計上することで、今期の利益を圧縮できます。
佐藤税理士
📋 計上可能な費用例
未払費用
- 12月分の光熱費など
- 賞与の未払分
(就業規則の整備、事前通知をするなどの要件あり) - 社会保険料
- 給与帳端分
(締日~期末日までの期間分を日割計上) - 広告宣伝費
前払費用
- 翌年分の保険料
- 翌年分の家賃
- 年間契約費用
- リース料の前払い
※短期前払費用の場合は当期に費用計上可
⚠️ 注意:債務が確定していることが条件。架空計上は絶対NG!
山田社長
これは経理担当と相談して、しっかり確認する必要がありそうですね。
🗑️ 節税対策⑤ 在庫・不良債権の整理
最後は大掃除作戦です!
不良在庫や回収不能な債権を整理することで、含み損を実現させられます。
佐藤税理士
🔍 整理対象の例
不良在庫の処分
- 売れ残り商品の廃棄
- 価値下落した有価証券の売却
- 陳腐化した設備の除却
貸倒損失の計上
- 回収不能な売掛金
- 倒産先への貸付金
- 長期滞留債権
💡 ポイント:処分手続きを適正に行い、廃棄証明書などを必ず保存しましょう。
📊 節税対策の効果シミュレーション
山田社長
これらを全部実行したら、どのくらい節税できますか?
山田社長の場合でシミュレーションしてみましょう!
佐藤税理士
💰 節税効果シミュレーション(利益500万円の場合)
対策内容 | 経費計上額 | 節税効果 |
---|---|---|
設備投資(PC等3台) | 90万円 | 27万円 |
経営セーフティ共済 | 240万円 | 72万円 |
未払費用 | 50万円 | 15万円 |
不良在庫処分 | 20万円 | 6万円 |
合計 | 400万円 | 120万円 |
山田社長
120万円も節税できるんですか!?これは大きいですね!
ただし、無理な節税は禁物です。
節税には支出を伴うものと、そうでないものがあります。
来年の資金繰りも考慮して、必要な投資だけを行うことが大切ですよ。
佐藤税理士
⚠️ 実行時の注意点
🚨 節税対策を実行する前に必ず確認!
- 無理な節税は資金繰りを悪化させる
→ 来年の運転資金は確保できているか? - 税務署に否認されるリスクを避ける
→ 根拠資料は適切に保存しているか? - 専門家への相談は必須
→ 実行前に税理士に確認したか? - 来期以降の計画も考慮する
→ 一時的な節税だけでなく、継続的な対策も検討
🎯 まとめ:決算日までの節税対策チェックリスト
決算日までにやるべき節税対策5選
→ 30万円未満で年間300万円まで
→ 最大240万円の損金算入
→ 個人と法人で所得分散
→ 期末調整による利益圧縮
→ 含み損の実現
計画的な節税が一番効果的!
山田社長
先生、来年はもっと計画的に節税対策を立てたいです。いつから準備すればいいですか?
素晴らしい心がけです!
来期の期首から月次決算を行い、3ヶ月ごとに利益予測を立てましょう。
そうすれば、慌てることなく最適な節税対策が実行できますよ。
一緒に頑張りましょう!
佐藤税理士
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執筆者:佐藤憲亮
税理士・行政書士
「計画的な節税が一番効果的!」をモットーに、
中小企業の節税対策と財務改善をサポートしています。