この記事の目次
はじめに
物の値段やサービスの値段の高い安いは、何を基準に判断していますか?
私は、同じような物やサービスを、他のところではいくらで提供しているかを調べて、
比較することで高いか安いかを判断していますし、多くの人はそうではないでしょうか。
同じような商品であれば、どこに行ってもその値段はほとんど変わらないですが、
その中でも多少の高い安いはありますし、
消費者としては少しでも安く買いたいと思うのは当たり前です。
ですが、その商品を高いとか安いとか思うのは、
その人に値段を判断するためのアンカー(基準)があるからです。
こういった考え方は、行動経済学を学ぶことで知ることができます。
以前に、何冊か本を読んで、おもしろかったので少しご紹介します。
(特に「予想どおりに不合理」が面白かったです。)
アンカーとは
アンカーとは、次のように定義されています。
つまり、誰もがその商品の基準となる金額を持っていて、
それよりも高いか安いかで判断をしているということです。
そうすると、同じような商品やサービスがない場合は、
誰もアンカーを持っていないことになりますので、値段設定が自由にできます。
選んでいるのではなく、選ばされているかもしれない
例えば、消費者が「松竹梅」のランクがあるような商品を買おうとするときは、
「失敗はしたくないけど、不必要に高いものは選びたくはない」という心理が働いて、
多くの人は無難な「竹」を選ぶことが多いとわかっています。
これを販売者側から考えると、真ん中のランクの「竹」が一番売れるのだから、
はじめから売りたい商品を「竹」に設定して、その他の「松梅」を
いわゆる「おとり」として使うことで、消費者の選択を導くことができます。
また、消費者は選択肢がある方が、自分が選んだという満足感を得られますので、
購買意欲が沸くそうです。
ただ、選択肢が多すぎると、選びきれなくなりますので、逆に購買意欲が消失します。
おわりに
行動経済学とは、心理学と経済学を掛け合わせた様な考え方をもっており、
アメリカで1990年代以降に急速に発展してきた学問で、まだまだ歴史は浅いです。
2002年にはアメリカの行動経済学の第一人者である、
ダニエル・カーネマン氏がノーベル経済学賞を受賞したのをきっかけに、
その後世界中に知られるようになり、日本でも研究が進められており、
少しづつその考えは広がってきているようです。
私は数年前に「予想どおりに不合理」を読んでから、
行動経済学という学問に興味を持っています。
といっても、書籍を数冊読んだことがある程度で知識はほとんどないんですが、
実践的な学問で面白いなと感じています。
私たちが日常的にしている選択が自分で選んだものでなく、
選択させられたものかもしれないと思うと、わくわくします。
そして、その考えを学ぶことで、自分にとってより良い選択を
することができるようになるのではないかと思います。