日商簿記検定の採点方法
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この記事の目次

はじめに

私は、日商簿記検定3級・2級の採点委員をやっていたことがあり、本試験で多く人の答案用紙を見てきました。採点をしていると、解き方や答えは分かっているのに、単純に漢字が間違っていたり、読めない数字を書いていたりで、バツを付けざるを得ないこともありました。

 

好意的に見れば合っているのに、しょうもない間違いで不合格になる人もいるわけで、結果が出ずに嫌になって簿記の勉強を辞めてしまうのは、個人にとっても、業界にとってももったいないと感じていました。

 

上記のようなことを、Twitterでつぶやいたことから思い出したこともあったので、今日は日商簿記検定3級・2級の間違いが多いポイントと、採点する際のポイントを文章にしておきたいと思います。

 

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間違いが多いポイント

採点委員は、試験会場で主催者(商工会議所)から問題用紙と解答用紙を配布されて採点にあたることになりますが、事前に採点の際の注意点等の説明があり、それに沿って採点をしていくことになります。

 

日商簿記検定は、簿記の知識を試す試験ではありますが、漢字間違いに非常に厳しいです。いくら簿記の知識が完ぺきであっても、そもそも漢字を間違えて覚えていたら、解き方や答えが分かっていてもバツがつけられてしまいます。(簿記検定なのに、漢字間違いに厳しくする必要はあるのだろうか・・・)

 

以下、具体的に見ていきます。

 

特に間違いが多かったのが「預」。「当座預金」や「預り金」等でよく書く漢字で、左の部分を「矛」と書いてしまう人が多かったです。(これぐらい〇でもいいような気がしますが・・・)

※字が汚いのはご容赦ください。

 

次によくあったのが、「券」。「有価証券」等でよく書く漢字。こちらは「刀」を「力」と書いてしまう人が多かった。すこし突き抜けるくらいなら〇と言われており、明らかに力と書いていたら×とのことでした。

 

あと、たまにあったのが「間」の漢字。簿記2級の試験で出題される工業簿記でよく出てきますが、漢字を省略して書く人がたまにいて、これも×でした。(分かればいいんじゃないのかな・・・)

 

最後に、記号と数字の区別があいまいなものはバツにされます。というか、×にせざるを得ませんでした。()の片割れと1の区別ができないものがたまにありました。勘定科目や数字に()を付けなくても採点はされますので、できるだけ「()」等の不必要なものは書かないようにするほうがいいでしょう。

 

採点する際の✔ポイント

採点者も人間です。答案用紙を見て、あまりにもやる気がない答案は、採点者のやる気が下がります。採点者のやる気が下がれば、微妙なところは、ぱっと見でバツされるかもしれませんので、具体的には次の点に気を付けましょう。

 

字があまりにも雑

字を丁寧に書こうとして下手なのは仕方がありません。(私も相当字が下手です)ただ、字が雑なのと字が下手なのは見ればわかりますので、急ぎつつも雑になりすぎない様に気を付けましょう。

 

消しゴムで消しきれていない

簿記検定は鉛筆で答案を書き、消しゴムで消すことが認められています。消しゴムで字を消す場合は、きれいに消してから次を書くようにしましょう。前に書いた数字の上に新たな数字を書いて、結局何を書いているのか分からない答案も結構あります。何を書いているのか分からなければ、採点のしようがありませんので、特に数字を書く際には注意が必要です。

 

数字の点の位置がおかしい

これは即失点に繋がるわけではないんですが、数字は3桁ごとに区切るようにしておきましょう。一般的には100万は、「1,000,000」と書きますが、「10,00,000」となっていれば、採点時に1,000万と見間違うこともあります。採点者も気を付けて見てはいますが、間違えて採点されるのを避けるためにも、一般的な書き方に合わせておいた方がいいでしょう。

 

おわりに

採点する際の✔ポイントは、簿記検定のみならず、文字や数字を書く試験においては同じじゃないかなと思います。記述式の試験は、採点してもらうための答案づくりを意識しないと受かるものも受かりません。合格ラインに立つために、まずは大前提を身に着けておきましょう。

 

 

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