修士論文執筆に関するアドバイス
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この記事の目次

はじめに

大学院を修了して、さぁ次は何をしようかとほっこりしていたところ、大学院から修士論文執筆に関して後輩へのアドバイスを書いてほしいとの依頼があったので、7項目にわたり回答しました。

 

一部内容を変更していますが、その内容を公開したいと思います。

 

論文執筆での私自身の反省点等も含めて書いていますので、これから税法2科目免除のための修士論文を執筆する方の参考になるかと。

 

修士論文執筆に関するアドバイス

1、修士論文のテーマをいつ頃から考え、決定したのはいつ頃か。またテーマの選定方法について。

入学時に研究計画書に書いたテーマで必ずしも論文を書けるわけではないので(既に解決されている問題、参考文献が少ない等)、入学後は研究計画書のテーマと併せて複数のテーマを検討する必要があります。

M1の前期は環境に慣れることで精一杯になるため、4月~7月は授業に集中することが大事で、7月後半から8月の休講期間中は、後期に向けて授業の準備を早めにしておくことをお勧めします。

私は、休講期間中に後期の講義スケジュールに合わせて、まずはざっくりと発表用のレジュメを作成しておき、発表直前に詳細を詰めていました。

発表テーマを選べる講義の場合は、修論のテーマにしたいものを選定して発表しておくと後が楽です。

そうすることで、講義用のレジュメ作成と修論の検討を同時に進めることができ、また修論テーマについて複数の先生方の意見を聞くこともできます。

休講期間中に4~5個のテーマを検討し、簡単なレジュメを作成し、10月頃にこの中から修論テーマを決定しました。

テーマ選定については、図書館にある雑誌等を定期的にチェックし、その中から、自分が疑問に思う判決で、意見が複数ある(評釈がある)ものを基準に選びました。

2年かけて研究していくテーマですから、何よりも自分が興味を持てることが大事かと思います。

 

2、中間報告会(春期・秋期)に関しての感想・準備及び当日報告状況について。

中間報告会はどうしても緊張してしまいます。

ダメだしされるのを嫌がるのではなく、複数の教授から指導を受けられる良い機会だと考え、開き直って臨んでいたように思います。

春期(M2の5月)は、まだテーマを決めて日が浅いため、それほど研究が進んでいませんので、自分が何を研究したいのかを示すのが大事です。

「はじめに」を読むだけで問題の所在と、明らかにしたいことが明確になるように書くことを目標に論文執筆を進めていました(このあたりは、指導教授から指導があると思います)。

秋期(M2の11月)は、複数人の教授から指導を受けられる最後の機会なので、論文の全体を説明できるよう「目次」と「はじめに」と「おわりに」を完成させることを目標に論文執筆を進めていました。

論文の最終提出は1月ですが、12月中に書き上げるつもりで進めていました。この頃(11月)には文字数が4万字を超えていたと思います。

また、これと同時に参考文献目録を作成しておくと後が楽です。

 

3、指導教授の指導を受けるにあたっての心構え等。

2年間はあっという間で、本格的に論文執筆をはじめてからの大学院生活は1年程度しかありません。

その中で、指導教授から指導を受けられる回数というのは限られていますので、指導の1回1回を貴重なものだと考えて、指摘やアドバイスは全て論文に反映させるということに気を付けていました。

そして、指導内容が理解できない場合は質問することが大事です。

論文を執筆するのは自分自身ですが、教授の指導や他の院生のアドバイスなくして完成させられるものではありませんので、多くの人と協力して書き上げていくことを意識した方が、いいものが書けるのではないかと思います。

 

4、指導教授の指導を受けてよかった点、その他感想等。(論文個別テーマの直接的な内容以外の部分で、後輩にも共通するような点を中心に)

教授には、こちらの都合に合わせて、指導のタイミングや日時等を調整して頂けたので、非常にスムーズに論文執筆を進めることができました。

直接指導やメール指導、電話指導にも対応して下さったので非常に助かりました。

また、論文執筆経験、実務経験も豊富な先生なので、実務的な視点から指導を頂ける機会も多く、論文を執筆したことで論文を書く技術のみならず、思考力(リーガルマインド)も大きく成長したと感じています。

 

5、修士論文作成にあたり、困った点、反省点等。

基本、論文指導は指導教授から受けますが、中間報告会等で他の教授からも指導を受ける機会があり、その時に指導教授と他の教授とで指導内容が違うことがあり困ったことがあります。

最終的には指導教授に指導を仰いだ結果、方向性の変更はありませんでした。

反省点としては、論文執筆が順調に進んでいたことによる安心感から、論文に手を付けていない期間があったことです。

間が空くと、頭の中で整理できていたことも少しずつ抜けていってしまうので、論文執筆の効率性が落ちていたと思います。少しでも毎日論文に触れて、コツコツと執筆していくことが大事だと感じます。

 

6、最終口述審査にあたってどのような準備をしたか、また審査を受けた感想。

自分の書いた論文を隅から隅まで何度も読みなおし、誤字脱字のチェック、質問が出そうな箇所を重点的に読み、参考文献等も再度読み直して口頭で説明できるように準備をしていました。

自分ではしっかりと準備した気になっていましたが、審査では予想外の質問が出たり、指摘がいくつかありましたので、まだまだ論文に書くべきことはあったと感じました。

論点を絞るため、論文で取り上げる範囲も絞って書いていましたので、少し内容が薄い箇所もあったと思います。

最初の時間があるうちに、税法以外の法律にも手を広げて、深く掘り下げて研究を進めれば、もっと良い論文が書けた可能性は感じています。

 

7、その他、後輩に向けた総合的なアドバイス。

私は、税理士試験の科目免除を受けるために大学院に入学しましたが、大学院ではその目的以上に学べることが多く、非常に有意義な2年間でした。

大学院で法律学を学んだことにより、今まではそれぞれ点と点でしか認識していなかった法律が、一本の線で繋がったような感覚で、税法をはじめとする法律学の奥深さを知ることができました。

また、論文執筆を進めていく中で、多くの判例、多くの人の考えに触れ、リーガルマインドが多少なりとも身についたんじゃないかと感じていますし、これから税理士として活動していくための基礎が作れたとも思っています。

講義を受けるのも、論文を書くのも、科目免除を受けるだけを目的とするのはもったいないですし、勉強をすることはこれからの人生に必ず役に立ちますので、是非、ひとつひとつの授業を楽しんで、常に前のめりに学んでいってほしいと思います。

 

おわりに

「修士論文執筆に関するアドバイス」は、私が2年間で得た経験をもとに、論文執筆についての心構えを書きました。

 

私のアドバイスを一つの意見として、是非、自分が納得できる修士論文を書き上げてください。

 

また、ブログには大学院のことについて詳細を書いていますので、気になる方はこちらをご覧ください。

 

【編集後記】

最近、花粉の飛散量がものすごいですね。車のボディがまっ黄黄。

 

この時期は、頭がぼーっとして憂鬱なので、早く過ぎ去ってほしいものです。

 

確定申告が終わって3月決算で忙しくなる人が多い中、私は3月決算の担当が少ないのでマイペースで仕事を進めています。

 

やっぱり、仕事を頑張りすぎる生き方は性に合わないですね。

 

 

 

 

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