税理士書面添付制度を活用しよう

こんにちは。税理士のさとうです!

 

税理士が税務申告書を作成するにあたり、税理士の意見書を添付して提出することができる、「書面添付制度」というものがあります。

 

書面添付制度とは、税理士法第33条の2に規定する書面添付制度と、第35条に規定する意見聴取制度を総称したものを指し、これは税理士のみに認められた税理士の権利を活用できる制度です。

本制度を利用することで申告書を作成するにあたって検討した事項等を示すことで、税務署の疑問点が解消し、結果として税務調査が省略される場合もあります。

 

幣事務所では、この書面添付制度を積極的に活用しており、本記事ではこの書面添付制度について解説していきたいと思います。

 

書面添付制度とは

税理士書面添付制度は、税務申告の正確性と適正性を確保するための重要な仕組みであり、税理士が作成した書面を税務申告書に添付することで、税務署がその内容をよりスムーズに把握し、適正な課税を行うために導入されています。

 

多くの中小企業は税務申告の際に専門的な知識を持つ税理士にアドバイスを求め、申告書の作成・提出を依頼するでしょう。

税理士書面添付制度により税理士が申告内容をチェックし、申告書に対する責任を持つことで、税務申告の品質が向上します。

 

書面添付制度を活用し、税務申告の正確性が向上することで、税務調査の際のトラブルが減少、誤った申告による追徴課税のリスクも低減します。しかし、書面添付制度を利用するためには、税理士と密に連携をとる必要があるため、多くの税理士事務所では活用の実績が少ないのが現状です。

 

令和3年度の書面添付割合 ⇒ 所得税1.5%、相続税23.1%、法人税9.8%

このように、法人税についての活用は10%に満たないのが現状です。

 

例えば、税務署が税務調査の先を選定するときに、同じような業績のA社とB社があり、A社は書面添付があり、B社は書面添付がない、という場合は書面添付がないB社を選定するという話を聞いたことがあります。

 

私の実感としても、書面添付をしている先の税務調査はかなり少ないです。

 

また、書面添付をしていると、税務調査に移行する前に税理士に必ず意見聴取をする必要がありますので、そこで疑問点が解消されれば、税務調査は省略されます。

 

税理士との連携

ただ、逆に考えると税理士との連携を取るために本制度を活用することも有用でしょう。

事業者は自身のビジネスに関する詳細を税理士と共有し、税理士はその情報を基に適切な申告を行います。

 

このような緊密な協力関係が、税務申告の品質向上には不可欠であり、幣事務所では書面添付制度を活用する前提として、お客様から適正な資料提出、対話の機会を設けていただける先に添付が可能であると考えています。

 

ビジネスに関する話だけではなくフランクに対話をすることにより、思いもしなかったリスクやビジネスチャンスが見えてきたりします。

 

添付する必要がない場合もありますが、お客様から安心のために添付して欲しいとの依頼もありますので、できるだけ積極活用をしたいと考えています。

 

おわりに

税法の改正や経済状況の変化は、申告内容に影響を与える可能性があります。

税理士は常に最新の税務情報を把握し、クライアントに対して適切なアドバイスを提供する必要があり、その対応ができているからこそ、自信をもって書面添付ができるのです。

 

税理士書面添付制度は、税務申告の品質を高め、税務処理をスムーズにするために極めて有効なツールです。

 

しかし、その運用には税理士と事業者の双方の理解と協力が求められます。そのため、常に最新の税務知識を更新し、適切なコミュニケーションを保ちながら、この制度を最大限に活用することを推進しています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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