税制改正大綱(賃上税制)についての感想

こんにちは、京都市中京区の税理士さとうです。

12月14日に令和6年税制改正大綱が発表されました。

今年も頑張って大綱全体を読みましたが、小粒な改正が多かった印象です。

 

昨年に引き続き、今年もマネーフォワードさんから、まとめ記事のご依頼をいただいたので、1日で大綱を読んで1日半で書き上げました。(しんどかった)

こちらの記事は法人向けに書いた記事ですので、偏った内容にはなりますが、参考にリンクを貼っておきます。

【速報】令和6年度税制改正大綱の概要まとめ

 

賃上税制について感想

今年は賃上税制について、多くの改正がありましたが、内容が大きく変わったというよりは、今まであった上乗せ措置の要件を細分化、そして新たな上乗せ措置を追加した感じです。

具体的には、雇用者給与等支給額が前年より3%〜7%上がった場合について、1%刻みで税額控除率を5%加算する方式に改正されています。

 

ただ、上限は法人税の20%となるため、実際は切り捨てとなる金額も多いと思います。

しかし、中小企業においては控除限度額を超えた金額を5年間の繰越しができるようになりましたので、今までよりも恩恵は受けやすくなったかなと。

実務的には、その年に控除できなかった金額を繰越しをするため、赤字であっても必ず税額控除額の計算が必要になり、今までよりも手間が増えることになります。

 

政府は賃上税制があることで、賃上げが促進されるというの認識を持っているようですが、私の知る限り賃上げ税制があるから給与を上げようとする人はいませんでした。

あった話とすれば、もともと給与を上げることを予定している事業者が、税額控除を多く受けることができるよう、賃上げの時期を翌期にずらしたことくらいです。

 

おわりに

あと、今年の税制改正大綱はなんか読むのしんどかったです。

毎年、税制改正大綱には目を通すようにしてますが、今年は特に面白くないなーという印象。

なんでしょうかね。政府と我々が考えている理想や期待は大きく乖離しているような感じがしますね。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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