はじめに
1月や2月の冬の季節に外気温が20度の日があれば、とても暑いと感じ、
7月や8月の夏の季節に外気温が20度の日があれば、寒いと感じてしまう。
しかし同じ20度。
年収が300万円の人が年収が500万円になれば、嬉しいと感じ、
年収800万円の人が年収500万円になれば、悲しいと感じてしまう。
しかし同じ500万円。
同じ数字でも、その数字を見る時の前提条件が変われば、
その数字が大きいのか小さいのかの評価が変わってきます。
つまり、数字を絶対的評価するのか、相対的評価するのかで、
その数字の持つ意味は変わり、喜びや悲しみの度合いまで
変わってしまうということです。
前がこうであったとか、今の状況がどうであるとかの外的要因に影響されて、
数字の評価は簡単に変わってしまいます。
そして、その数字がプラスの数字であるか、
マイナスの数字であるかによっても、その評価は大きく変わってきます。
リスクに対する感度
次の➀➁の二つのクジを引かないといけないとすると、
どういう組み合わせを選ぶでしょうか?
➀100万円を手に入れられる確率が80%のクジ(100万円 or 0円)と、
80万円を手に入れられる確率が100%のもの、どちらを選びますか?
➁100万円を支払わなければならない確率が80%のクジ(-100万円 or 0円)と、
80万円を支払わなければならない確率が100%のクジ、どちらを選びますか?
利益か損失かの違いがあるだけで、条件は全く同じです。
しかし、ある実験例によると、
➀については80万円の確立が80%の方を選び、
➁については一か八かの-100万円の確立が80%の方を選ぶ人が多かった
ということが分かっています。
つまり、利益については安定性を重視し、
損失についてはリスクを追求する傾向があり、
損失を被ることによる痛みを避ける傾向にあるということです。
そして、損得についても、やはり相対的にみていると言えるのではないかと思います。
(損失に係る痛みを軽減する方法については、下記記事を参照)
お金は手にする喜びよりも、失ったときの痛みの方が大きい/TIME-TAX
おわりに
数字に限らずどんなことでも、絶対的評価をするのか、相対的評価をするのかで、
選択は大きく変わってきます。
周りと自分を比べる相対的評価を用いるから、嫉妬やねたみが生まれてくるわけで、
自分は自分、他人は他人と自分のことを絶対的評価できれば、
こういった無駄な感情は生まれないでしょう。
仕事でも、相対的に比較検討することは多いですが、
物やサービスの本来の価値は、相対的に決まるものでないので、
絶対的価値で判断するように気を付けたいと思います。