税理士試験と大学院の並行(両立)は可能か
qimono / Pixabay

この記事の目次

はじめに

大学院で必要単位を取得し、税理士試験の税法科目1科目の合格があれば、大学院修了後に国税庁へ修士論文の提出をすることができます。

 

ただ、大学院は税理士試験の税法科目1科目合格していないと行けないわけではなく、大学院へ入学してから合格してもいいですし、修了してから合格し、合格した時点で修士論文を提出することもできます。

 

順序は問われていませんので、税理士試験の合格科目がゼロであっても、入試さえ通れば入学・修了することは可能です。

 

税理士試験と大学院の並行

税理士試験と大学院の並行は可能か?

 

大学院は8~9月が夏休みとなるところが多いので、あまり本試験までの勉強時間がとれません。

 

特にM1の前期は、環境に慣れ、新しいことを学び、大学院のルールや論文のルール等の基礎を学ぶ重要な時期ですので、手を抜いて授業を受けていると、M1の後期、M2になってから苦労します。

 

(なお、M1、M2のMの意味についてはこちらを参照してください。)

 

出来なくはないかもしれませんが、時間に余裕がある人以外はおススメはできません。

 

特にM1の時は難しいです。在学中に税理士試験を受けるのであれば、M2になってからがいいでしょう。(大学院にもよりますが、M2になれば授業頻度が減ります)

 

税理士試験・大学院どちらの勉強も結構な時間が必要です。両方並行し、偏りが生じると、どちらかが身につかない、若しくはどちらも身につかないという恐れもあります。

ただ、大学院によっては、税理士試験を受験する学生が多い場合、前期を軽めのカリキュラムにし、後期に重めのカリキュラムをもってきて、税理士試験を優先できるようにしてくれるところもあるとか。

 

そういった大学院の場合は、並行することを積極的に狙っていっていいかもしれません。

 

私は、3科目合格してから大学院に入ったので、税理士試験を並行してやっていません。

 

ただ、周りの人を見ていると、大学院と税理士試験と並行してやろうと思って入学してきた人でも、やっぱり厳しいから試験を後回しにするという人が多い印象です。

 

大学院と税理士試験を並行できるかは、時間の余裕と大学院のカリキュラムによって大きく変わりますので、
大学院のカリキュラムを確認しておく必要があります。

 

大学院は3科目合格してから行くべきか

これについては「NO!」です。

 

大学院への道はいつでも開かれています。

大学院へ行くことを決めているのであれば、できるだけ早く行くべきでしょう。

 

大学院の税理士試験一部科目免除制度、現在は存在していますが、この制度がいつなくなるかなんて誰にも分りません。

 

現に、ダブルマスターといわれる、大学院を2回修了すれば税理士試験科目の全科目が免除されるという制度はなくなりました。こういった制度は自分の力以外のことで決まってしまうので、思い立ったらすぐ行動することが大事です。

 

また、科目免除制度がなくならないにしても、大学院免除を選択する人は年々増えています。

 

大学院によっては入試の競争倍率が3倍とか4倍というところがあり、どこまで競争率が上がっていくのかは予想できませんし、自分の通える範囲にある大学院は限られていますので、そこの競争倍率が上がってしまえば、非常に厳しい受験となるでしょう。

 

こういったことからも、3科目合格するのを待つのではなく、思い立ったらすぐ行動に移す必要があります。

 

ただ、税理士試験も年々受験者数が減ってきており、受験する人のレベルが上がって、合格率が約1割というのが変わらないのであれば、税理士試験も今後さらに競争が厳しくなっていくと考えられます。

この様な状況を鑑みれば、大学院と税理士試験どちらを優先すべきか一概には言えませんが、制度がなくなる可能性がゼロでない以上、大学院に行くことを決めている場合は、大学院は早めに行っておいたほうが得策でしょう。(時間的余裕がある場合は並行がベスト)

 

おわりに

自分の力や選択だけで前に進めるのであれば、積極的にやっていけばいいんですが、
他の要素で決まっていくことに、一個人の力で対抗することは難しいです。

 

いずれにしても、時間をかけすぎずに資格取得することを一番に考え、いろいろな選択肢を検討してみましょう。

 

 

おすすめ記事