会社設立の費用について

この記事の目次

はじめに

こんにちは、税理士の佐藤憲亮です。

 

個人のお客様と話をしていると、よく聞かれるのが「会社設立」についてです。

特に、こんなご質問をいただくことが多いです。

①会社設立をする一番のメリットはなんですか?

②資本金っていくらにすればいいの?

③法人成り(個人事業を法人化)するタイミングは?

④会社設立にはどれだけ費用がかかるんですか?

⑤法人成りすると節税しやすいって聞くけどホント?

本日は上記項目の内、④の「会社設立にはどれだけ費用がかかるんですか?」について解説していきたいと思います。

※他の項目については下記を参照ください。

主な会社の種類

一口に会社設立といっても、種類は多種多様です。
大きく分けると、利益分配を目的とする営利法人(株式会社、合同会社、合資会社、合名会社)と、利益分配を目的としない非営利法人(NPO法人、一般社団法人、一般財団法人)とに分けられます。

営利法人

①株式会社
会社の最も一般的な形態です。
出資者が、会社の財産の範囲内で有限責任を追う形態(会社法第104条)であり、個人に比較すると社会的信用度は高いです。
②合同会社
こちらも株式会社と同じで、出資者は有限責任を追うこととなります。ただ、合同会社の出資者は必ず役員となることになりますので、外部出資者を募って拡大していくことが難しくなります。
よって、近い人だけで会社化する際に検討します。また、株式会社と比較して設立費用が安いです。
③合資会社、合名会社
2006年に会社法が改正されて合同会社が設立可能となってからは、合資会社・合名会社は合同会社に比べたメリットがほぼないため、設立されることが少なくなりました。
逆にデメリットとしては、合資会社・合名会社の社員(役員)は「無限責任社員」となるので、会社が倒産した場合などは、社員個人にもその責任がかかってきます。

非営利法人

①NPO法人
営利を目的としない法人で、ボランティア等を主な活動内容とする法人のことをいいます。
資本金0円から設立が可能で、設立時費用がかかりませんし、その非営利活動で得た収益に法人税がかかりません。ただ、他の営利型法人と同じで、収益事業に係る所得については法人税が課税されます。
デメリットとしては、10人以上の社員を集めないといけなかったり、活動内容が制限されたり、設立するまでに時間がかかるということがあります。
②一般社団法人・一般財団法人
こちらも非営利型の法人で収益事業にのみ法人税が課税されることになりますが、NPO法人と違って設立時に認可の必要がないので、NPO法人より設立はスムーズです。社団は人が集まって事業を行うためにできた法人であるのに対し、財団は金銭や不動産などの財産を管理するためにできた法人というイメージです。

設立費用

ここでは法人格別の設立登記にかかる法定費用をご紹介します。
①株式会社

・定款の認証手数料:50,000円

・定款の謄本手数料:2,000円

・設立にかかる登録免許税:150,000円

合計202,000円

※1.なお、自身で会社設立手続きをすれば、プラス収入印紙代40,000円がかかってきます。

(専門家に依頼すれば、電子申請のため印紙代は不要)

②合同会社・合資会社・合名会社

・定款の認証手数料:公証人による定款認証不要のため、0円

・設立にかかる登録免許税:60,000円

※1.参照
③NPO法人・一般社団法人・一般財団法人

・定款の認証手数料:管轄が都道府県や市町村であり、0円

・設立にかかる登録免許税:課税対象外のため、0円

 

なお、①~③の法定費用は上記のとおりですが、設立手続きにはその他にも費用がかかります。

例えば、法人実印作成代、印鑑証明取得代、住民票取得代、司法書士手数料、税理士手数料などがあります。

 

おわりに

本日は、法人設立費用についてお話してきました。

一般的に言われる株式会社や合同会社の設立には、司法書士や税理士の報酬等を含めると、おおよそ10万~30万くらいの費用が必要です。

その他、資本金をいくらにするかによっても必要な資金は変わってきますし、設立後の事業開始のための設備や場所代なども考慮しておく必要があります。

目の前のことだけでなく、先々のことを考えた資金計画は必須ですので、しっかりと計画を立ててから手続きを進めていきましょう。

 

おすすめ記事