会社設立する際の資本金はいくらがいいの?

はじめに

こんにちは、税理士の佐藤憲亮です。

 

個人のお客様と話をしていると、よく聞かれるのが「会社設立」についてです。

特に、こんなご質問をいただくことが多いです。

①会社設立をする一番のメリットはなんですか?

②資本金っていくらにすればいいの?

③法人成り(個人事業を法人化)するタイミングは?

④会社設立にはどれだけ費用がかかるんですか?

⑤法人成りすると節税しやすいって聞くけどホント?

 

本日は、上記項目の内、②の「資本金っていくらにすればいいの?」について解説していきたいと思います。

 

※関連記事については、下記を参照ください。

資本金1円からでも会社は作れる

株式会社を設立する際の資本金は、1円から設定が可能となっています。

「やったー!あまりお金をかけたくないので、1円で設立しちゃおう!」と考えているそこのあなた!

できるからと言ってもやってはだめです。それだけは止めておきましょう。

 

資本金というのは、会社を運営する元手となるお金のことで、株主が会社に出資する資金のことを指しています。

客観的に見れば、資本金が1円しかないということは、会社の運営資金が1円しかないというように見えます。

当然、1円で会社の運営なんてできませんし、本当に営業活動してるの?ペーパーカンパニー(事業活動の実態がない会社)なんじゃないの?と勘ぐられてしまいます。

 

本来の目的以外のことに使われる実態のない会社は信用力に欠けますし、取引に応じてくれない企業もあるでしょう。また、それ以前に金融機関で口座を作ることもできません。

となると、金融機関から融資を受けることもできませんので、外部から資金調達ができません。

つまり、会社を運営していくための資金は、全て個人が会社に貸し付けるという形で入れることになります。

 

会社が軌道に乗るまでは資金繰りが苦しいですし、最初のうちは、現金がそんなに残らないことが多いです。

この状況を会社の財務諸表から見ると、借入金が増えて現金が残らないという状況なので、債務超過(資産より負債が多い)になりがちです。(債務超過は、会社が不健康な状態のことを指します)

 

例えば、その後に信用力を上げるために増資して(資本金を増やして)、金融機関から融資を受けようとしても、債務超過等の理由で財務状況が悪ければ融資を受けにくいですし、また個人の手持ち資金がなくなってしまうと、企業の血液とも言われる現金の流れが止まってしまうことになります。

このように負の連鎖が起こってしまうと、非常にまずい状態に追い込まれてしまいます。

 

資本金はいくらにすればいいのか

業種や取引規模にもよりますが、最低でも100万円はあったほうがいいです。

 

少し心もとないですが、資本金が100万円あれば、資本金額を理由に金融機関でも口座を作るのを断られることはまずないですし、業種や取引先の規模によりますが対外的な取引にもあまり影響しないと思います。

 

ただ、最初から融資を受けようとするなら資本金は300万円くらいあったほうがいいです。(※融資額は資本金の2倍くらいが限度という噂をきいたことがあります)

※実際それ以上に借りることができる場合も多々ありますので、一概には言えないですが。

 

消費税法上の留意点

資本金は多ければ多いほど対外的な信用力が増しますが、税負担を考えるなら、その金額が1,000万円以上とならないように注意しないといけません。

 

設立時に資本金を1,000万円以上にしてしまうと、設立事業年度から消費税の納税が必要となってしまいます。

消費税は、原則2年前の課税売上高(消費税が課税される取引)が1,000万円超の場合に、課税事業者(消費税を計算して収める必要がある事業者)となりますので、会社設立初年度と翌年度の2年前は、まだ会社は存在しないので免税事業者(消費税を収める必要がない事業者)となります。

 

ただ、資本金が1,000万円以上になっている事業年度は、設立事業年度から消費税の課税事業者となってしまいます。

つまり、何らかの事情がないのであれば、資本金は1,000万円未満となるように設定したほういいです。

 

消費税の課税事業者となるかどうかの判定方法は、他にも多数存在しますので、詳細はまた別の機会に解説したいと思います。

 

※間違えやすい言葉「以上、以下、未満、超」の言葉の定義はこちらで解説していますので、参考にしてください。

 

おわりに

本日は、②の「資本金っていくらにすればいいの?」について解説してきました。

 

上記のことから、私は、資本金は300万円以上1,000万円未満に設定することをオススメしています。

 

資本金については、「どうしたらいいかわからなくて適当に決めた」という方がたまにいらっしゃいますが、考えておかないといけないことがありますので、慎重に判断しましょう。